シーズン初めのファッション雑誌って新しい流行の紹介が多くて目新しくて楽しいですね。
で、それが落ち着くと今度は定番特集。何枚で着まわしというのもよくあるパターンです。
私、昔はこの定番特集が大好きで、定番とあるアイテムは片っ端から着て着ました。合わなくても定番なんだから、形が違えば、デザインがちょっと変われば違うはずだと思って、似合うアイテムを求めてさまよって。
でももうR40にもなれば、ある程度どうにもならない相性の良し悪し、自分の限界もわかってくるし諦めというものも覚えます。
というわけで今回は私が着る服、着ない服について。
1 着ない選択
・ボーダーカットソー
・ジーンズ
・定番トレンチコート
・ざっくりニット
・オックスフォードのボタンダウン
・コンバースのスニーカー
・厚手のスウェットのトップス
・小花柄、チェック
・プリンセスラインのワンピース
・サーモンピンク、生成りのナチュラル系アースカラー、パステルカラー。
・洗いざらしの素材、ざっくりとした麻など、ナチュラル感のある素材。あるいはぴらぴらひらひらの素材。
・少女性、少年性の高いアイテム、ナチュラル系のアイテム、カジュアル度の高いアイテム。ほっこり系のアイテム。体のラインを隠すアイテム。
私は肩幅が広くて厚く、胸板も広いです。広大な背中の持ち主です。
そんな私がボーダーカットソーを着ると、カットソー本来の持ち味の小粋さが出ません。
定番トレンチも肩が細い女性(つまり大多数の女性)が着ると小粋でスマートになりますが、私がごついギャバジン素材でエポレット付きのトレンチなんかきた日には戦闘モード100パーセント、威圧感たっぷりの将校みたいになります。
また、私は「肩の力の抜けたざっくりカジュアル」がとても苦手です。ジーンズ、スウェット、ざっくりニット、小花柄にチェック。どれも作業着?野良着?寝巻き?って感じです。
プリンセスラインのワンピースなんて、あばらのものすごく太いところからさらに広がるから痩せていようが太っていようが、ただのマタニティです。
昔はオリーブ少女だったので、繊細な少女性のあるもの、あるいは逆に小粋なボーイッシュな香りが漂うリセエンヌファッションにとても憧れていました。その一方でmc SISTERなんかも好きで、アメリカントラッドにも憧れました。見る楽しみとしては今でもすごく好きです。
でも、私はくどい大人顔、で基本骨格がごっつくてしかも筋肉質な肉厚体型です。しかも最近はそこに脂肪がでっぷり乗っかってます。以前激しいダイエットをしてガリガリになった時も、太い太い骨が目立つばかりで、華奢で可愛いというよりも、ガサガサと色気のないデカイブスにしかなりませんでした。ものすごく痩せたのに、でかくてごついという印象から逃れられなかったんです。胸なんて洗濯板みたいになったけど、あばらが太いから、ただ色気がなくなっただけで繊細さなんて微塵もにじまなかった。少女性も少女性も皆無でした。
そうなんです、何やったって無理なラインというのがあるんですね。
無印良品っぽいほっこり系も同様。主張の強い顔がコンプレックスで、ナチュラルで優しげな感じが良いなあと思って、何度も試して着ました。パーソナルカラーの誤診で秋という診断をされて、似合うはずだとも思ってました。でもこれがもうもささの極致。
何着てももさい原人の野良着って感じになっちゃって、しかも足が5センチ短く見えて5キロ太って見える…。
ほっこり系に合うメイクが私に似合わないメイクだったのも致命傷。アースカラーの服に合わせたナチュラルメイクしても、ノーメイクに見えるどころか、単純にノーメイクの時よりもひどい仕上がりになるんです。まるで1週間くらい顔洗ってなさそうな顔色&雰囲気…。
似合わない色に似合わないシルエットに似合わないイメージの三重苦。ほっこり系こそ、ほっそりとしていて、柔らかな表情で、それこそ少女性か少年性が残っている、実は肌が綺麗な人じゃないと着こなせない上級ラインなんだと気づくまでに随分時間がかかってしまいました。
(あ、もちろん今でも無印良品は好きですし、使ってるアイテムもあるんですけどね。でもザ・無印!ナチュラルの極み!って感じのはやっぱり着こなせないです。)
この中でも、ボーダーカットソー、ジーンズ、オックスフォードのボタンダウンに関しては、「定番」「誰にでも似合う」という言葉に惑わされて、数かぎりないチャレンジを繰り返してきました。アイテムとしてただ見るだけだったら私も大好きです。
で、確かにたくさん着ると、そのアイテムの中では比較的ましな似合い方のものもなくはないのですが、何せ定番、いろんな人が着るので、にあってなさがものすごく目立つのです。自分比で最高に似合うものを着ても、普通の人の普通の似合い方にも及びもつかないんですね。
しかも、ナチュラル系、カジュアル系のアイテムって似合ってないと、単に似合ってないというだけでなく、もさく見えるだけでなく、だらしなくTPO的にもアウトになることが多いのです。投資に対するリターンが少なすぎる!
馬鹿馬鹿しい!!
定番の呪いに長いことかかって、本当に本当にものすごい無駄遣いをしてきましたが、骨身にしみて、「人の定番が必ずしも自分の定番ではない」ということを学びました。
人と同じことをして、自分を集団に埋没させたいという気持ちは今でも捨て切れませんでしたが、集団に埋没することすらできずに、悪目立ちさせてしまうのであれば、これらを選ぶ意味が全くありません。
というわけでここにこれらをやめることを宣言します!!
あースッキリした!!
他方で、長年たくさんの失敗をしてきたおかげで、どんなにブサイクでデブでも、痩せようが太ろうが、年をとろうが、どんな時でも自分比では自分を3割増しにしてくれるスタイルやアイテムというのがあることもわかってきました。
もうR40。何しても似合わない服に無駄なお金と時間を費やして、似合う人と比較してしょんぼりするのには飽き飽きしました。似合うアイテムをきて、自信を持って楽しめる時間の方がずっと大事です。
20代ほど流行に乗らなくても大丈夫なのがR40の利点。なのでその利点をフルに生かすべく、自分に似合う服、着るべき服を今一度確認しようと思います。
というわけで、今度は私が選択する服
・砂時計シルエットになる服(世間でいうIラインとIラインに近いXライン)
(お腹周りにタックなどがなくてぴったりとフィット)
(あばらの一番下から、腰骨までに余計なたるみがなく程よくフィット)
(ハイゲージ。厚みはないけれど、薄くてぴらぴらしすぎず、程よいしなやかさと硬さの両方があるもの)
・白のブロードのシャツ(ウェストに絞りがあるもの)ボタンは鎖骨と胸の中心のちょうど中点まで開ける(谷間は見えないけど、胸のパツパツ感も消せるから、一番エロくもなく痩せて見える)。
・黒のハイゲージタートル(ゆったりとローゲージのものではなくウェスト周りが程よくフィットするタイプで、タートルネックは首ギリギリまでの高さで細いもの)
・黒のVネックのハイゲージのニット(肩周りは肩と首の中点あたりまで開いたもの。Vの角度は鈍角。頂点は、鎖骨と胸の中心との中点くらいだと、下着や谷間が見えず、顔の大きさやエラ張りも目立たず、肩幅もごまかせる)
・ストレートパンツに近いセミワイドパンツ。あえてヒップラインが出るもの。腰骨あたりがウェスト位置のものだとなお良い。ざっくりした素材ではアウトだけれど薄くて太もものむちむちは拾うのもアウトなので、程よい硬さが必要。素材のイメージがスマートでシャキッとした感じのもの。丈はふくらはぎの膨らみがシュッとすぼまったあたりか、アキレス腱がギリ見えるくらいのクロップドかハイヒール向きのかかとが隠れるラインがベスト。クロップドならスリムタイプで良い。
・膝丈のタイトスカート。あえてヒップラインが出るもの。(一度お直しをしようと思って、ミリ単位で一番スタイルが良く見える丈を割り出したところ、ホットパンツ丈か、膝ギリギリがベストだった。ホットパンツは年齢的にいたので必然的に膝丈)
・ハイヒールのパンプス。丸いトウの少女っぽいものはアウト。流行もあるけれど、スクエアだと今度はゴツすぎる。できればアーモンド〜ポインテッドトウが望ましい。中途半端なヒールの太さと高さは似合わない。スタックヒールかピンヒールのハイヒールがベスト。
・中性的なのものではなく、男度も女度も高い、大人っぽいスタイル(かつてのYSLのデザインのような)。ビジネス向けっぽいものが基本的には似合う。
・白黒赤(赤に近いローズピンク〜若干青みの赤〜クリスマスの赤〜ボルドー〜赤に近い紫)、プラチナかイエローゴールドかだったらイエローゴールドだけど、本当に似合うのは、イエローでもピンクでもなく、赤みの強いローズゴールド。
私は、肩は上記のような惨状ですが、腰骨もザ・安産体型という感じで、横にひろーく広がった残念体型です。ついでに出っ尻。ウェスト位置は比較的高いけれど、足が長いのではなく、お尻が大きいだけ。股上が長いだけ。本当にどんだけ残念なんだ。
ですが、肩と腰骨が張ってるおかげで、どんなにデブになって、相対的にウェストが細く見えはします(見えるだけ)、なので、ここを生かすと3キロ痩せて3センチ背が高く見えます。
逆に今流行りのバルーンシルエットの服を着ると5キロデブに見えてハンプティダンプティみたいになります。
砂時計シルエットなんていうと、いい女しか許されないように思いがちなのですが、デブだからこそ砂時計シルエットが有効なんだなというのを太った最近はつくづく感じます。
あちこちに厚みがあって余計な飾りや柄が入るとうるさく見えがちな私の場合は無彩色が一番似合います。
よく大柄な人には大柄の柄が似合うなんて言いまして、実際小花柄よりは似合うのですが、演歌歌手オンステージ!っていう感じになって日常生活には使いづらいのでパス。
モデルさんと違って、デブが着ると布の量が半端ないから圧力も半端ないんですよ。
トップスは砂時計シルエットになることにプラスして、抜け感があるものが似合います。骨太のおかげで、どんなにデブっても鎖骨がくっきり見えるのが救い。鎖骨を生かすと3キロ痩せて見えるし、Vネックや胸元をちょっと開けたシャツを着ると、大顔がごまかせます。タートルネックはその点ではちょっと弱いのですが、砂時計シルエットっぽく見せるには最高のアイテムなので、そのパワーで他をごまかしてくれます。
逆に丸首や中途半端なオフタートルだと、肩のムッチリと胸のムッチリ感が目立ってアウト。
ボトムも基本的には砂時計シルエットに見せやすいもの。日本ブランドは、よく着痩せするからとウェストラインを高めに設定するのですが、私の場合は、むしろウェストよりちょっと低めの腰骨ラインにウェストラインを設定した方が、圧倒的に着痩せします。上にすると巨神兵っぽくなっちゃうし、砂時計シルエットが分断されて目立たなくなっちゃうからだと思います。あと股上の長さも目立っちゃうんですよね。流行から外れすぎるとダサく見えるので、今はウェスト位置は妥協した上で、トップスの長さでごまかしていますが、本当は腰骨位置でパンツを履けた時代が懐かしいです…。
また、出っ尻だからこそ、あえてヒップラインにそうものを選びます。ヒップラインが隠れるものって、末広がりシルエットのものが多くて、そうすると太い起点からもっと太いラインが繋がって、体積が無駄に増えちゃうんです。それよりはピタッとくっつけて、ヒプよりしたの相対的に細いところを生かした方が私は痩せて見えます。
体育会系だった名残か、ヒップの下だけではなく、結構上の方に筋肉がついているので、ヒップラインを生かすと背が高く見えるのも高ポイント。
昔はそれほど意識しなかったのですが、太ってお尻に肉がついたからこそ、ここは意識するようになりました。
で、上記のような砂時計シルエットの最後のトッピングがハイヒール。
ミニマリストさんたちは機能性の面から、こぞって断捨離対象にされていますし、健康という面からもあまり良いとは言われないハイヒール。
でも私はフェチがつくほどハイヒールというアイテム自体を愛していますし、だからか、ちょっと気分が乗らない日でもハイヒールを履くとスイッチが入ったかのようにオンタイムの顔になったりします。
私の中に未だにくすぶっている変身少女への憧れが、形を変えたのでは、と思うくらい、ハイヒール1つで、気分が変わるんです。
実は「世間的にはあまり良い扱いを受けてないから」「確かに機能的とは言い難い」と一時期、ハイヒールをやめようかどうか迷っていた時期がありました。実際めまいがくせになっていたので、怖くて履けない時期もありました。
でも、アイテム1個でこんなにも気持ちを変えてくれるものって、私にはあまりありません。
なので、私はこれからもあえてハイヒールを履くという選択をしました。賢い選択ではないかもしれないけれど、R40にもなると正しくたって誰も褒めてもくれません。だったら私にとって楽しい選択をして一人で楽しくなっていようと思いました。もっと高齢になったら履けなくなるかもしれませんし、楽しめる時に楽しみたいというのもあります。
カジュアルが似合わないので、スポーツ系やアウトドア系も苦手なのですが、どうしても着なければならない場合は、きちんと系のニュアンスをトッピングすべく、ちょっとモードっぽいデザインで黒ベースのものを選んで逃げています。モード系って美人じゃないしスタイルも良くないから、手を出しづらかったのですが、あまりキメキメでないものなら、過剰な自意識を発動させにくいこともわかりました。
で、ここまで書いていくとわかるかと思うのですが、私に似合う基本シルエットやアイテムから導かれるスタイルって、昔憧れた少女性、少年性の高いユニセックス(中性的)なアイテムというよりは、潔くキリッと強くてシンプルなデザインで、なおかつ女度の高いシルエット、つまりは中性的(無性的)というよりは両性的でとにかく大人っぽいアイテムだったんです。
思えば10代の頃は老け顔も手伝って、子供らしい服が似合わず、何を着てももさくて、ものすごくコンプレックスがあったのが、仕事をするようになって、ビジネスパーソンっぽい格好をするようになったら、おしゃれだとお褒めの言葉をたまにはいただくようになったというのも、要するに似合うアイテムやスタイルに年齢が追いついたということなんだと思います。
ありがたいことにこういうラインは、今後どんなに老けても割と浮かずに着やすいアイテム。さらには今の仕事のTPOにもバッチリハマるアイテムばかりです。
そういう意味では年をとるというのも悪いことばかりじゃないですね。(生まれ変わったらひらひらのワンピースが似合う少女や森ガールになってみたいと、今でもたまには思いますけどねー)
20代の頃にはすでに薄々上記のような傾向はわかっていたのですが、それでも「モテ」とかに惑わされて、本当はマゼンダのようなド派手なピンクの方がまだ似合うのに可愛いサーモンピンクを着ては失敗する、みたいなこともやっていました。似合わないひらひらワンピも多少はきました。
背が高いのにハイヒールを履くなんて!と言われたことも何度かあります(今でもまじむかつく)。
でもR40にもなった女を、もはや女としてみてくる男はそうはいません。R35くらいの頃は用済み扱いにイラっとすることも、触れて良いかどうか迷っている様子にムカッとすることもあったのですが、R40にもなると、くだらない男に勝手に評価対象に入れられてあれこれ言われることから解放されて、スッキリした!っという気持ちの方が強くなってきました。
というわけで、当分は上記のような感じで、気持ちよく割り切ったワードローブで生活していこうと思います。
とりあえず、春先になるたびにのしかかっていた「似合うトレンチを今度こそ見つけねば」というプレッシャーから解放されて(といっても自分が勝手に自分にかけていただけなんですけどね)、ホッとしています。
あと、今シーズンの流行もなんだかんだで気になってはいたけれど、ウェストに膨らみを持たせる&ハイウェストが主流みたいなので、今年は無駄に服を買わずに大人しく過ごそうと思えました。無駄遣いも減ってうれしーな!(でも早く流行が変わりますように〜!!!!!)