もう会期は終了してしまったのですが、先日、山種美術館のお花をテーマとした展示を観てきました。
今まで、自分に美術鑑賞眼が皆無なことがコンプレックスで、余計な感想は言わず、あらかじめ情報収集していかにもわかってる風なことを言ってごまかしてきました。
一時が万事そんな感じで、そうやって他人の言葉で身を守ってばかりで、空っぽなままの自分にうんざりしてきたし、それでは誰にも理解されないことも身にしみてわかってきました。
なので、感じたことをちゃんと言葉にする訓練をしたいと思うので、思ったことをメモ書き程度に残しておきます。
そんな訳でとりとめもない上、展覧会のガイドには到底なり得ない感想で申し訳ないのですが…。
素敵だなと思ったもの
・小林古径の鉢花
チューリップと花瓶。シンプルだけど日本画にチューリップって新鮮だし、素直な感じが素敵。
・小林古径の白華小禽
くどくない、シンプルで繊細な色使いと構図が素敵でした。
・横山大観 山桜
日本だなあと。
シャープで鮮やかなラインと色使いが素敵でした。ミュージアムショップで見つけて素敵だなと思った絵(名樹散椿)もこの人のものだと知りました。その時、一緒にいた人は「実は「炎舞」が前から好きなんだよね〜」と言っていたのですが、まさか同じ作者だとは!
・酒井抱一 菊小禽図
・酒井抱一 秋草図
・酒井抱一 月梅図
どれもラインがシュッとしていて、超好みでした。菊のなんて赤白黄色と色使いは派手なのに、それでもすごくスッキリしているんですよね。秋草図は、軸装(っていうの?)で絵の上下に、粋な細めの格子柄が使われていて、それもよかったな。
この人の名前、耳に覚えがあって、確か高校時代に出会っているんだけれど、でも美術でなし、日本史(の中の美術史)でもなさそうだし…とムズムズしてたんだけど、多分国語か古文で俳句をやった気がします。
・川崎小虎 草花絵巻(秋)
透けるようなトンボやせみなどが素敵でした。
絵巻で時系列を追うと、自分も時の流れの中を移動している感覚になりますね。絵巻という形式自体が楽しい。
・小茂田青樹 四季草花画巻
ボタニカルアートみたいな素直な素敵さに、ほんのり柔らかさというかのどけさを感じて、眺めてて和みました。
・作者不詳 竹垣白梅椿図(パンフレットに重要美術品ってありました)
くっきりはっきり鮮やかで力強くてシャープ。17世紀のものがこんなにもシャープなままで残ってるってすごいことだよなあと。
・軸装がどれも綺麗で、絵だけじゃなくて絵の周りの仕事の人のセンスもすごいよなーなんて思って見てました。
よく見るとどれも柄物で、それを2、3種類使っているのに、あくまで絵の背景となって溶け込んでいるってすごくないですか?
柄on柄ってファッション的には超上級者にしかできないことなのに、あっさりこなしているんですもん。柄のラインがどれもゴールド系で統一されているのが秘訣なのかもしれませんけど。
しかもそれらが全部好みだったので、こういう生地のブックカバーが欲しいとか、ワンピースが着たいとか、カーテンにしたいとか、そんなこと考えたりしてました。
・久しぶりの美術館だったので、鉛筆を忘れてしまったのが痛手でした。メモが取れないから、誰の何が好みだったのか、メモしきれてなくて残念。
・とはいえ、小さな展示なので、キャパオーバーすることなく、ゆっくり観られたのが嬉しかった! あまりにものすごい人混みだと、それだけで疲れちゃうようになっちゃったんですよね…。
・美術館併設の天井が高く開放的だったり眺めがよかったりするから好みなのですが、こちらの美術館は、展示に合わせて作られた和菓子が超綺麗でした。緑茶も美味しかった!また行きたいな。
・美術鑑賞眼が皆無だから、「私なんかがご立派な美術品を観たって何にもならないわー、お金の無駄無駄」とどこかで思っていたりもするのですが、でもやっぱり綺麗なものを見ること自体がすごいストレス解消だなあとも思いました。
・屏風って合理的だな。