上質な暮らしやら丁寧な暮らし、これが定番!みたいな宣伝文句に踊らされて色々買い込んでは反省し、断捨離してはやっぱり欲しくなってリバウド、みたいなことを繰り返してきました。
そんな中で、最初はこだわりの逸品を買ったものの、安いものの方が使い勝手が良かった物がいくつかあったので、今日はそれをまとめてみます。
1 手袋
革手袋(1万円超)から、ユニクロのスマホ対応ヒートテック手袋(黒)(約千円)+雪の日にコンビニで買った防水手袋(黒)(約千円)へ。
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(防水防風のものは私の使ってるものとは違うけれど、大体こんな感じのお手頃さ)
昔は手袋にはこだわりがあって、革製でサイズが選べて裏地がカシミアのものを毎年色や革の素材を変えて買い足していました。
でも問題点が3つ。
・意外とかさばる。バッグやポケットからはみ出て落としてしまったこと数度。
・革は雨や雪に弱く濡れると染みができてしまうし、気軽に洗えない。
・スマホが操作できない。
で、これを解決したのが、上記のヒートテックと防水手袋の合わせ技です。
普段はユニクロのヒートテック手袋。ニット素材なので嵩張らず、ヒートテックだから暖かさも十分。しかも洗えて、スマホの操作もできます。
そして雨や雪の日は、割り切って防水&防風手袋を、ヒートテック手袋の上からつけます。アウトドアでよくやる、保温目的のインナーに防水防風のアウターを重ねる手法を取り入れる訳です。
雨や雪の日は、転倒防止のために濡れて汚れた手すりを頼らなければならないことがあります。そんな時は、おしゃれで高価な革手袋より汚れを気にせずに済むと実用防水手袋の方が断然頼りになります。
ちなみに、ミニマリストとしては手袋を2つ持つより高機能の手袋1つの方が良いかなと思って、アウトドア系、スノースポーツ系の防水手袋も一通りチェックしたのですが、保温+防水スペックが高いものは、都心部でオフィスファッションに合わせると浮いてしまう上、高額です。それよりは安い物を二種類持つ方が何かと融通がきいて便利です。
2ペン類
鍵がかかるショーケースに陳列されるような万年筆類→OHTOのリバティ(細軸)に。
文房具にもこだわりがあってそれなりに散財してきました。
が、色々試した結果わかったのは、
・インクは高級文具店の物よりオフィス用メーカーの事務用の物の方が使いやすい。
・高級ペン類は重くて、どんなに重さのバランスが取れていて持ちやすさに配慮されていても、ペンだこが痛くなる。
・万年筆はやっぱりインクの管理が大変。ボールペンが普及した理由がよくわかる。
・身の丈に合わない高級感は、仕事&実用には不向き。
ということでした。
一目惚れした万年筆は、その高級感が身の丈に合っておらず、お偉いさんやお客様の前で使うのはためらいました。営業がド派手なブランドバッグを仕事で使うのを避けるのと同様の感覚でしょうか。
それに、ペンを貸す時も、価値のわかる相手は借りるのをためらい、わからない相手は借りパクの危険も時にあり、とやりにくい。
素材やデザインに凝った高価な文具は、美しくてロマンがあるけれど、仕事で道具としてガンガン使いやすいのは、そういう貴族的なお品ではなく、ガンガン使用されることを想定して作られた実用品で、実はそういうのはこなれた価格帯にこそ豊富でした。
ここで、完全に実用と割り切ってしまえば、会社で支給されるいかにも事務用品でも良いのですが、それだとちょっと味気ないなあということで選んだのが、OHTOのリバティ。
OHTOのリバティはペン軸と中のリフィルを自由に組み合わせられるペンで、
・1080円だけど安っぽくはなく、かといって嫌味もないちょうど良いデザイン
・高級ペン軸と比べると軽量。(ただし細軸に限る。中軸、太軸は結構重いです。)
・リフィルの融通が効く。純正のリフィルも安価で良質で種類も豊富ですが、規格がオーソドックスなので、互換性のある他社リフィルも豊富。
と、使い勝手が良いのです。割と人にお褒めいただくことの多いペンだったりもします。
3 ティーポット
南部鉄瓶と銀のポット→耐熱ガラスのポットへ変更。
(私は廃盤になった無印のものを使っていますが、まあだいたいこんな感じ)
憧れて手に入れた南部鉄瓶と銀のポットは、重かったり、サビ予防などに気を遣いました。他方耐熱ガラスのポットは軽くて安くて扱いが楽!しかも中身が見えるので、ビジュアル的にも楽しいし、お茶の様子がわかるので失敗なく淹れやすいです。
陶器のポットは茶の味がつくので、お茶の種類ごとにポットを変えるべきだと言われますが、耐熱ガラスならそういう問題もなし。緑茶にも紅茶にも使えます。1つだけしかポットを持たないならガラスが一番無難だと、お茶業界の方にもアドバイスされました。急須と違って持ち手が左利きにも優しいところもポイントが高いです。しかも、ガラスなら、合わせるカップ&ソーサーを比較的選びません。
4 カトラリー
シルバー→ステンレスへ。
銀のカトラリーを日常的に使う生活に憧れて、一人暮らしする時にカトラリーは銀で揃えました。ガラスや陶器と違って割れない一生物だし、毎日使っていれば手入れはさほど大変じゃないとも聞いていたからです。
でも「さほど大変じゃない」と「全く気を遣わなくて良い」は別物です。体調崩した時に銀のカトラリーの手入れを怠って、うっかり変色させて以来、自己管理さえできてない身に銀のカトラリーは分不相応だったなと反省させられました。
今後食洗機が付いている家も多くなると思いますが、銀器は食洗機×のものも多いです。対してステンレスだったらサビも変色もまずなく、食洗機もOK!それに特に18−18の物などは地金の美しさもあって素敵です。
(なお、私は少量で足りる&後から同じものを買い足せるように、とデパートで定番品をバラで買いましたが、後で、リサイクルショップなどで中古の引き出物のセットを買えばもっと安上がりだったと気がつきました。しまった…!)
5 布団
羽毛布団→洗える毛布を複数枚に。
これは私がハウスダストアレルギー持ちということに由来します。一応羽毛布団の時にも定期的にダイソンの布団用ノズルで手入れをしてはいましたが、やっぱり限界はあります。
そしてフワッフワの羽毛布団は、洗濯機で洗えず、手洗いは重労働。手洗いだと脱水がうまくできないから乾くまで時間がかかり、結果冬場はなかなか洗えないままに。
クリーニングもオフシーズンに出すだけなら良いのですが、オンシーズンにとなると出してから受け取るまでの期間をどうしのぐかが問題になってしまいます。
それだったらと、洗濯機でガンガン洗える毛布(大概薄くて安い)を季節に応じて1〜3枚使うことにしました。洗濯機の脱水が使えるので、朝洗って夜使えます。おかげで選択の頻度がぐんと上がり、気分的に気持ちよく眠れるようになりました。
ただ、正直羽毛布団の方が圧倒的に軽かったし、静電気も起きにくかったようには思うので、これは一長一短という気もします。私にとってはメリットの方が大きいですけどね。
6 枕
オーダー枕や低反発枕(各1〜2万円)→バスタオルへ。
頚椎が弱いのでオーダー枕も低反発枕も実は経験済み。
低反発枕は頭が沈み込んで固定されてしまうので、逆に肩こり、首こりが酷くなりました。(昔の話なので今は改良されているかもしれませんが…)
オーダー枕も実質的にはセミオーダー。完璧に自分の頭部〜肩に合うわけではないせいか、首のこりは軽減されないままでした。
それよりむしろ良かったのが整形外科で薦められたバスタオルを枕がわりにする方法。
私はタオルを三つ折りにしたものをさらに半分に畳んで、首や肩のコンディションに合わせてそれを2つ重ねたり、首の部分だけ厚めにしたりと、自分で調整しています。
その時々のコンディションによって調整できるので、寝違える回数がだいぶ減りました。特に私の場合、枕の厚みが薄い方がフィットするタイプなので、枕よりもさらに薄く調整しやすいタオルの方が合ったみたいです。
また、枕カバーを外したりつけたりする作業がなくなることで洗濯が楽になりました。さらに、今までは枕カバーは洗っても、枕自体を洗うことはそうなかったのに対して、タオルは毎日洗えます。清潔度の点でも満足度は高いです。吹き出物が出やすく、ハウスダストアレルギー持ちの私にとってはこれも利点。
しかも枕カバーやその替えを所有する必要がなくなったため、ベッド周りのリネンの管理も楽になりました。
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高い商品だからといって良いとは限らない、という言い方をする場合、高くても質が悪いものがある、という意味で使われることも多いです。
ですが、個人的には背伸びして買った上記の品々の出来が悪かったと思うことはありませんでした。
むしろ、憧れの品を使ってみて、なるほど高いには高いだけの理由があるんだなと納得することがほとんどでした。どの品にも、値段なりのこだわりや美しさがあり、作るためにかけられた手間暇を感じさせられました。
でもそういった良さが、庶民の私の生活にぴったりとマッチするかどうかは全くの別問題でした。
ちょっと前にSNSで「高い服イコール丈夫ではない。むしろ高い服ほど繊細ですぐダメになる」といったような話題が出ていましたが、服以外でも同様ですね。
高価な物は、意外とメンテナンスが大変だったり、繊細で取り扱いが難しかったり、昔から定評のあるクラシカルなものの場合は、クラシカルさ故に機能面では最新のものと比較して劣っていたりもしました。
それは質が悪いからではなく、それらを慈しんで、手間暇お金をかけて維持管理するゆとりがある人に向けて作られた商品だからだと思います。言ってみればお貴族様のロマン枠。ある意味嗜好品なのです。
でも、庶民かつ面倒臭がりの私に必要なのは、お貴族様の嗜好品じゃなく、庶民の生活道具。余計な装飾を削ぎ落とした実用本位の物でした。
洋服で例えれば、私に必要かつ似合うのは、家では洗えない繊細な総レースの高価なドレスではなく、作業着として汚れを気にせずガンガン着てガンガン洗える安価なコットンシャツ&ジーンズだった、という訳です。
ライフスタイルに合うものを選んでいったら、最終的に残ったのは、高価なものではなく、身の丈に合った価格帯のものばかりで、「なるほど、身の丈に合った買い物をすべきとはこういう意味でもあったのか」と、随分背伸びして散財しまくった末に、つくづくと納得しました。