この暑さで料理が面倒だなあ、お惣菜買っちゃおうかなと思っていた日に読んだのですが、結果冷蔵庫に中途半端に残っていた食材を使って料理することに成功しました。
そういうことをやってみようかな、という気にさせてくれる本。
家庭のため、プライドのため、体重や健康管理のため、料理しなきゃとは思いつつ、調理に苦手意識があって、怖くて料理してないような人たち相手の料理教室の話。
料理教室としてやったことはこんな感じ。
- 包丁の選び方と使い方。野菜を切る。ズッキーニのパスタを作る。
- 素材や調味料のテイスティング。味と品質の良い材料を買う価値を学ぶ。ソテーと野菜のポタージュを作る。
- 丸鶏をさばく!!!グリルドチキン、ベイクドチキン、鶏のマスタード煮込み
- こねないパンを焼く。パスタのテイスティングとパスタソースを作る(クリーム、トマト)
- ドレッシングとオムレツを作る。卵料理は偉大。
- 牛肉について学ぶ。スパイスを自分で調合する。
- 魚のホイル焼き
- ケーキミックスについて。自分で作るということ、栄養バランスをとるシンプルな考え方
- 少なく買って使い切る習慣。残り物の活用法。
- 残り物でスープを作る。スープストックを作る(肉、野菜、シーフード)。
これらの話の合間合間に料理が苦手な参加者それぞれの事情や変化が描かれていて、親近感がわきます。
個人的に面白いなと思ったのは
- 料理が出来るというのは、単に良き妻、良き母になるためではなく、自分で自分を食べさせられるのだ、自分の生活を自分で整えられるのだという、肉体だけでなく精神の基盤にもなるんだなということ
- フードロスや生き物の命を頂くという問題に向き合っている。
- 包丁の使い方さえ覚束ない人相手に丸鶏をさばかせるなんて、日本ではなかなか考えられないけど、魚をさばくのと同じような感覚なのだろうか。
- ローストチキンを自分で作れる、というのはアメリカではただ料理ができるという以上の文化的な意味があるようだ。新巻鮭をさばける、おせちが作れる、みたいな感じ?
- こねないパンは、出典は違うけど、先日紹介した本と割と似ていた。なるほど、ブームだったのだな。
- 食に関する雑誌が好きで、レシピもネットでしらみつぶしに当たり、体に良い食材への意識も高いのに料理が苦手、というような人がいて、私のことか!?と思った。
- ジュリア・チャイルドが料理番組でフライパンをひっくり返すのに失敗して、ジャガイモをぶちまけた時に「落としたら拾えば良い」と言ったエピソードがのっていた。そうなんだよね。失敗したところで誰かに迷惑かけるわけじゃない。
- 太字で書かれていた「食事のしたくに失敗したって、それでもいいじゃない。たかが1回の食事なんだもの。明日になったらまた作ればいい。100年経てば誰も違いなんてわからないのだから。」に勇気をもらった。
- スープストック作ることに比べたら、出汁をひくなんて、インスタント食品に親を注ぐくらいの気楽さだな。
- ジャンクフードはドーパミン中毒になるように作られている。シンプルな味付けなら過食は防げる。
- プロテインを増やせば炭水化物とスイーツへの強い欲望は消える。
素敵な料理の本はたくさんあって、美味しいレシピや情報が勉強になるものもあれば、眺めて楽しむものもあります。
この本はレシピ数は少ないけど、食について考える機会をくれるとともに、実際にやる気にさせてくれるところが良いなと思いました。
楽しかった!