今流行?のパーソナルカラー、実は昔ハマって、あちこちのサロンに通っていました。
10代の頃 読んでいたファッション雑誌に、定期的に取り上げられていて興味があったのです。
結果わかったことを今日はまとめようと思います。
ちなみに私はあちこちのサロンをジプシーした結果、春夏秋冬の全ての診断を受けることとなりました。どうやらとってもわかりにくいタイプだったみたいです。
よかったこと
・本当に似合う色に出会えた。
昔は色黒だから綺麗な薄くて淡い色は使ってはだめだという思い込みがありました。昔はパステルカラーなどの可愛い色は色白さんにだけ特権的に許されたものだと思っていたんです。
でも「黄みの強い肌色でブルーベースの淡い色の方が似合うタイプもいる」という流派の診断結果に後押しされて、青みのピンクなどの可愛い色も取り入れるようになりました。
私の場合は、自分で選ぶには躊躇するような鮮やかな青みの色が一番顔映りの良いタイプだったので、アナリストに似合うと言ってもらえなかったら、そもそもチャレンジもせず、一生本当に似合う色にたどり着けないままだったかもしれません。
・色々な色にチャレンジするようになった。
診断結果がバラバラだったせいもあり、頭で決めつけず、まずは試着したりタッチアップをしてみて、実際の顔映りをみてみる習慣ができました。
メイクアイテムなどは、偏光パールやラメなどの量や色で、ベースの色自体は一見似合わなそうだけど、つけてみると似合う、なんていうことが結構あります。
また洋服にしても、一見同じ色でも、パーソナルカラーで使うドレープと言われるサンプル布と、ウールとカシミアでは発色が違い、結果としてどれかは似合い、どれかは似合わない、なんていう微妙な差があったりします。
自分は〇〇タイプだからと決めつけないことの重要性を、皮肉にもパーソナルカラー診断で学んだわけです。とはいえ、チャレンジする勇気と覚悟をくれたのがパーソナルカラー診断だったのも事実です。
・他人の率直な意見が聞けた
「赤の他人からどう見えているのか」が気になって受けた面もかなりあったので、これは面白かったです。自分を知っている人の意見だと色々なバイアスがかかりますからね。
ただ、最終的に一番参考になるのは、お世辞を言わないおしゃれな身内or仲の良い友人だと思いました。おしゃれってその人のパーソナリティ抜きに成立しないから、ある程度その人をわかっている人の意見の方が実生活に取り入れやすかったりするんですよね。
それにパーソナルカラーのアナリストの意見はパーソナルカラー理論というバイアスがかかるので、「バイアスのかからない一般的な意見」とは必ずしも言えないと思いました。アナリストからは似合うといわれたけれど、周囲の人からは体調を心配されたり似合ってないと酷評を受けたリップやアイシャドウというのが実際にありました。
おしゃれに見せたいのはアナリストに対してじゃなくて、普段接する周囲の人に対してなのに…!っていう。
悪かったこと
・出費がかさんだ。
パーソナルカラー診断のメリットに出費が減るというのがよく挙げられていますが、私は診断にばらつきがあり、複数受ける羽目になった&診断結果がバラバラなのでそれぞれの色を実際に試す必要があったことから、むしろ出費は増えました。
・アナリストの判断は絶対じゃない。
複数のサロンで診断を受けてつくづくと思い知ったことですが、パーソナルカラーは科学的な理論ではないので、流派によって分類の仕方が色々だったり、アナリストの好みによって判断もぶれます。
サロンによって診断に使うドレープと言われるサンプルカラーの布の色の選択や量が結構違うので、私のようにわかりにくいタイプは、そのサンプルカラーにたまたま似合う色があったりなかったりといった理由で判断が変わることもあるように思いました。
私はゴールドのアクセサリーが雰囲気に似合うけれど、ブルーベースの色の方が肌色が明るく見えるタイプなのですが、最初にゴールドVSシルバーでイエローベースかブルーベースかを決める流派で、ゴールドが似合うからということで、ブルーベースの色をほとんどみてもらえずに終わってしまった、なんていうこともありました(たまたまそのアナリストさんがそうだっただけかもしれませんが)。
さらには、ある色を顔に合わせて見せた時に、顔色が濃く見えたとして、それを「健康的に見えるから良い」とする場合と「色黒に見えるから悪い」と判断する場合とがありました。ここは完全にアナリストの好みだという気がしました。だから自分と好みが合わないアナリストの診断だと、せっかく受けたのに納得が行かないアドバイスを受ける羽目になるわけです。
・一度カテゴライズ化されると、その理論に反することをするのに勇気が必要になってしまう。
これはパーソナルカラー云々というよりは、受ける側の気質の問題だとは思いますが、もともと自分の判断に自信が持てなくなって、他人にどう見えているのかを気にして診断を受けに行ったわけです。
そこであなたは〇〇だから××ね!と断言されてしまうと、何か違う…と思っても、それに反することをするのに躊躇してしまうのです。自分に自信がなければないほどそうなる気がします。
私は一番最初に診断を受けたところが「色黒オークル肌は秋」という流派だったので、実際はくすんだ中間色の黄みの強い色が一番似合わない色だったし、自分でも「これ本当に似合ってる…?」と疑問に思いつつも、可愛い色を取り入れるのは恐れ多くなってしまい、結果、一時期、そういう一番似合わない色ばかり選んで、ものすごく老けてみられていたりもしました。
その後、別のサロンで全く別の診断を受けることを繰り返すことで、個々のアナリストの判断を相対的に見つめ直せるようになりましたが、そうなるまでに出費は嵩みました。
おまけ:パーソナルカラーサロン選びの参考に。
・●●色が似合うからあなたは春(夏/秋/冬)タイプだ→あなたは春(夏/秋/冬)だからそのタイプの色が全部似合う、という説明の仕方をするアナリストは要注意。
私のように診断が別れるタイプだと、たとえばベージュは秋のキャメルに近い色が似合うけど、赤は秋の朱色が一番似合わず、冬の赤が似合う、みたいなことが結構あります。
だけとカテゴライズ化を優先させ、目の前の実際の人間の肌ばえより理論を優先させるタイプの人に当たると、「あなたは秋だから秋の朱赤が似合う」と、もっとも似合わない赤をすすめられる羽目になるわけです。
カテゴライズ化に安住する楽さ(カテゴライズ化する方、される方双方にとって)もわかるのですが、本当のおしゃれって、そういうカテゴライズ化の対極にあるものなんだと思います。
私はあちこちジプシーをしたおかげでカテゴライズ化の呪いからは解放されましたが、1箇所の診断だけで効率よくおしゃれになりたいという人は、最初にどういうアナリストさんなのかよく見極めた方が良いと思います。
・似合う色と似合うメイク方法と似合うファッションは全部別だけど関連性もあるから、完全に一致させる流派も、完全に別扱いする流派もそれぞれに注意が必要。
このタイプの色が似合うからこのタイプのファッションやメイクが似合う、っていう流派も要注意です。
私は、ドラマティックでゴージャスな色が似合う=派手なスタイルが似合うということで、政治家か!?演歌歌手のステージ衣装か!?OKバブル!?みたいなファッションを提案されたことが実際にあります。
また、丸くて大きな二重のタヌキ顔なのに、冬の色が似合う→冬の典型メイクはオリエンタル顔ということなのか、釣り目切れ長の一重の狐顔向きのメイクを施されて、歌舞伎役者の隈取みたいになったりもしました。似合う色と似合うメイク方法は別でしょ!!っていう…。
他方で色とスタイルを分けるところもそれだけでは安心できません。
似合う色は春だけど、似合うスタイルはシンプルストレート、という判定を受けた結果、ビジネススタイルとして「パステルカラーのパンツスーツ」「パステルカラーのシャツにパンツスーツ」を提案されたことがあるからです。ビジネスに!?それにやっぱりパンツスーツが一番映える色って、可愛い系の色じゃなくってかっこいい系の色じゃないですか?と個人的には思ったり。
ただ似合う色と似合うスタイルをごっちゃにされるよりは、それぞれ別個に診断してくれる方が、あとで自分で調整しやすかったです。
・結局はアナリストのセンス次第。
上記の通りなので、個人個人にあった微調整こそがむしろセンスの見せ所です。
ですが、どのタイプかカテゴライズして満足している方は、カテゴライズされた垢抜けない典型ファッションの提案しかできず、結果、理論を知らない一般のお洒落さんよりむしろださいアドバイスをされたこともありました。
今は洗練されたアナリストさんも多いようですが、昔は「色」の資格はあっても「ファッション」や「メイク」には無頓着に見える方が、ファッションの提案をされてたりもしたんです…。パーソナルカラー診断は「お洒落」の手段だと思うのに、それ自体が目的化しているというか…。
ご自身も浮世離れされたファッションで、ビジネスファッションに理解が少ない方もいらっしゃいました。
「黒以外のベーシックカラーに似合う色がなく、スーツ選びに困っている(アイスグレーやアイスベージュ、ロイヤルネイビーは似合うけど、堅い職場で使いやすい中間色〜ダークなグレーやベージュ、ネイビーが似合わない)」と相談したのに、なぜか
・似合う色のシャツを取り入れましょう!(ちなみにシャーベットオレンジを勧められた覚えが。)
・似合う色のスカーフやストールを巻けば大丈夫!(ちなみにこの場合の似合う色はド派手な色でした)
と提案されて脱力したことが1度や2度ではないのです。
女性ですらベーシックカラーのスーツが望ましいビジネスの場面で、派手色スカーフやストールを室内で防寒目的ですらなくひらひらさせて、仕事が有利になるとでも思っているのでしょうか。
しかも流行中ならともかく、そういう提案をされた時は、スカーフは過去の異物だったしストールも流行が下火になっていた時期で、単純にお洒落としてもアウトでした。
流派がどうこう以上に、アナリストさんがどれくらいおしゃれやメイクに興味があって、センスがあるか、受診者の個性や希望に擦り合わせてくれるか、が重要だなとつくづく思いました。
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ちなみにパーソナルカラー診断をジプシーした現状どうなのかと言えば、顔映りが良い色は概ねわかってきたけれど、おしゃれに見せるための方法はいまだに試行錯誤、という感じです。
でもまあ流行だって変わるし自分の社会的ポジションが変わればふさわしいファッションも変わるわけで、結局その時々で素敵に見えるようにするには、常に試行錯誤が必要ってことかもしれません。おしゃれって楽しいけど大変ですね。
これから診断を受ける方が、良きアナリストさんと出会って満足な結果を得られますように!そして素敵なアナリストさんが今後ますます増えますように!